三越日本橋本店本館の地下中央口付近、地下コンコース壁面に、熈代勝覧絵巻が常設展示されています。
文化2年(1805年)、今から約217年前の日本橋から神田今川橋までの通り(現在の中央通り)を、東側より俯瞰して描いた全長17メートルの絵巻です。
絵巻向かって左端は神田今川橋より始まり、
色鮮やかな十軒店の雛市に、
呉服店の三井越後屋、
日本橋北橋詰の市場の賑わい、
そして富士を仰ぎ見ることのできる日本橋が、情緒豊かに、そして生き生きと描かれているのです。
1671人の様々な身分、職種の人々と、馬13頭、牛4頭、犬20匹、鷹2羽、猿1匹の姿が見られ、繊細な筆質ではあるものの、優しくて面白みのある絵で、見ていて飽きません。
作者が不明だというのが信じられないほどに秀逸な絵巻です。
展示されている絵巻は複製で、原画はベルリン国立アジア美術館にあるのだそうです。
なお、文化3年(1806年)、牛町大火(丙寅の火事)により、ここに描かれた風景は、ほとんどといっていいほど焼失してしまいました。
作者不明というあたりからも考えると、何やらドラマチックなものを感じますね。
また、地上に出ると、コレド室町の近くのビルの前に十軒店跡の石碑が設置されてあります。
お近くにいらした際は、是非絵巻をご堪能くださいませ。
コメント